動詞『入れる』にドイツ語の直訳はない。ならどうしよう?【ドイツ語動詞】

2026年2月17日著者: Nana

日本語の「入れる」に相当する動詞をドイツ語で探したことがある方も多いのではないでしょうか。

毎日の日常の動作にはたくさんの「入れる」行為がありますよね。

かばんに財布を入れる。

洗濯機に服を入れる。

冷蔵庫に野菜を入れる。

コーヒーにミルクを入れる。

ゴミ袋にゴミを入れる。

電子レンジに昨日の残りを入れる。

ポケットに鍵を入れる。

お風呂にお湯を入れる。

みたいなさ。日本語ならこれ全部一つの動詞でまとめることができます。何かの中に特定のものを「入れる」という意味で共通してますね。

でも。

残念ながらドイツ語には日本語の「入れる」の直訳はない!ほんとうに残念ながら。

いやいや、reingebenとかreintunがあるやん。と思う人もいるかもしれません。でもreingebenを日本語の「入れる」にあてはめて使ってるとしたら、たぶんしょっちゅう間違ってるで!「持っていく」(mitbringenやmitnehmen)のように。

このような日常の重要単語は時間をかけてちゃんと使えるように識別しよう。

だって毎日使うから。

使うやろ?

ということでドイツ語の動詞地獄へようこそ。

中に入れて置く系

入れ物や機械などの中に何かを入れる時には、すでにみなさんA1の後半で習っているはずのlegen/stellenを使います。いわゆる「縦に置く」か「横に置く」というやつですね。こっちで詳しく説明してます↓

場所の前置詞と8つの動詞。stellen, legen, setzen, hängen/stehen...

他動詞と自動詞の文法構造と意味。 立てて置くvs.立ててある 座らせるvs.座っている

下の例文が参考になるかと思いますが、中に入れてその底にしっかりと置く、というイメージです。そしてそれを横に置くならlegen、縦に置くならstellenを使ってください。

服のようなぐちゃぐちゃ系は横に置くほうです。くつろがせるイメージかも。逆に明確に縦に置くもの、きちんと立たせることができるものだけstellenで大丈夫。

それでは以下の例文をドイツ語に訳してみるのですが、どの文がlegenでどの文がstellenでしょうか?分けてみよう!

1.洗濯物を洗濯機に入れる。

2.傘を傘立てに入れる。

3.冷蔵庫にミルクを入れる。

4.野菜を冷蔵庫に入れる。

5.野菜を電子レンジに入れる。

6.さいふをかばんに入れる。

横に置くほうに下線を引いてみますね。ここまでできたら各文をドイツ語に訳してみてください。

1.洗濯物を洗濯機に入れる。

2.傘を傘立てに入れる。

3.冷蔵庫にミルクを入れる。

4.野菜を冷蔵庫に入れる。

5.野菜を電子レンジに入れる。

6.さいふをかばんに入れる。

ドイツ語訳はこちら

1.Ich lege die Klamotten in die Waschmaschine. 

2.Ich stelle meinen Regenschirm in den Schirmständer.

3.Ich stelle die Milch in den Kühlschrank.

4.Ich lege das Gemüse in den Kühlschrank.

5.Ich lege das Gemüse in die Mikrowelle.

6.Ich lege meinen Schlüssel in die Hosentasche. 

7.Ich lege meinen Geldbeutel in die Handtasche.

ドイツ語ではカバンの中に何かを入れたり、冷蔵庫に何かを入れる時は「置く」と認識してください。legenかstellenの二択です。

しっかりと底に置くイメージも忘れずに。

次のやつは底にしっかりと置けない系の「入れる」です。

足す系

液体系を入れる時に使います。こちらは底がないイメージです。しかし液体系を「入れる」という動詞はいろいろあって一筋縄ではいきません。

が、すでに何か入っている鍋などに何かを「足す」時に使う動詞には共通点があります。なんとgebenです。あのgeben。三格と四格両方つく動詞リストに一番に出てくるやつ。

あれを場所の前置詞inと一緒に使うと「入れる」(足す)になるんです。

日本語例はこんな感じ。

1.コーヒーにミルクを入れる。

2.お茶にレモンを入れる。

3.スープに塩を入れる。

それでは半信半疑でgebenを使ってこれらの文をドイツ語にしてみてください。

こうなりましたか?↓

1.Ich gebe Milch in den Kaffee.

2.Ich gebe Zitronen in den Tee.

3.Ich gebe Salz in die Suppe.

すべての文がgeben+in+四格と綺麗にそろっていたら正解です。ちなみに口語ではgebenの代わりにmachenやtunを使うことも良くあります。

Ich tue Milch in den Kaffee.みたいに。

ただこれはさっきも言ったように料理系、液体系ならなんでもgebenでいいのかといえばそうではない。

たとえば空の容器に水とかジュースとか入れるんならgebenではなく、füllenとかschenkenとか状況によっていろいろ動詞がある。

füllenは空の容器に満タンに入れる時に使うし、schenkenは誰かにお酒など、飲み物をついであげる時に使ったりします。

ここではとにかく、すでに何か入っているものの中にさらに何かを「足す」=gebenだ!と覚えておこう。

ちなみにどこに入れるかがもう明白なときはin+四格を言わないことも多いですよね。たとえばコーヒーを手に持ってて「ミルクを入れる」とかいうだけなら

Ich gebe Milch rein.

または

Ich mache Milch rein.

または

Ich tue Milch rein.

と言うこともできます。

しかしたとえば、ガソリンを入れる、は液体を入れるけどgebenが使えません。なぜなら「ガソリンを入れる」という特定の動詞を持っているから。これらについては最後にまた言及します。

ちなみにこういう液体系の「入れる」を日常で聞いた人が、日本語の「入れる」と勘違いしてカバンに何か入れる時もreingebenと言ったりしてしまいます。reingebenは足す時だけな!

ちなみにreingebenはhineingebenの縮約形ですね。え?hineinって何?reinって何?という人はこちらの文法で詳しく勉強してね↓

場所の副詞(3)hinとher -Lokale Adverbien- 【ドイツ語文法50】

von hierとhierherは何が違う? hinaufとheraufってどう使い分けるの?raufとかreinって何?など。

次。

しまう、差し込む系

何かをしまう、またはカードなどを差し込む時はsteckenという動詞が使えます。「しまう」に関してはlegenも可能です。

例文。

1.鍵をポケットに入れる。

2.パスポートを引き出しに入れる。

3.現金を財布に入れる

4.銀行カードをATMに入れる。

5.USBをパソコンに差し込む。

ドイツ語訳

1.Ich stecke meinen Schlüssel in die Hosentasche. 

2.Ich stecke meinen Reisepass in die Schublade.

3.Ich stecke Bargeld in den Geldbeutel.

4.Ich stecke meine Bankkarte in den Geldautomaten.

5.Ich stecke den USB-Stick in den Computer.

さっきの例文から気づいた人もいるかもしれませんが、steckenでもいいし、legenでもかまいません。4.5のように銀行カードなどやUSBスティックを差し込む行為をするときはsteckenがぴったりです。

その他いろいろ

そのほかにもお風呂にお湯を入れたり、車にガソリンを入れたり、様々なところに様々なものを入れることができますね。ドイツ語ではそれをさらに様々な動詞で表現しています。

この中からよくする行為があれば、単品で覚えることをおすすめします。

1.エアコンを入れる。

2.お風呂のお湯を入れる。

3.車にガソリンを入れる。

4.ゴミ袋にゴミを入れる。

5.耐熱皿に生地を入れる。

6.服をスーツケースに入れる。

日常的にやってることばかり!さあそれではドイツ語訳とともに動詞群をどうぞ。

1.Ich schalte die Klimaanlage ein.

2.Ich lasse Wasser in die Badewanne ein.

3.Ich tanke.

4.Ich werfe den Müll in den Mülleimer.

5.Ich fülle den Teig in die Kuchenform.

6.Ich packe die Kleidung in den Koffer.

「ガソリンを入れる」が液体ではあれど、gebenだと変な感覚が私にもあります。gebenはさっきも言った通り「足す」という意味が含まれてるので、日本語でもやっぱり「ガソリンを足す」ってなんか奇妙な感じがあると思いません?お風呂のお湯を入れるっていう表現も普通は、昨日のお湯に今日のお湯を足すことじゃないもんね。だから日本語ネイティブ(私)の感覚的にもgebenでは決してない。

5の生地を耐熱皿に入れるっていうのも、その生地が一回焼いた後で形がもうちゃんとあるものをよいしょって耐熱皿に置いたとしたらそれはlegen。ケーキとか焼く前のドロッとした液体やったらそれはfüllen。gebenでもないですね、だって「生地を足す」んじゃないから。

☆☆

今回、私は日本語の「入れる」からドイツ語を考えています。つまりドイツ語から日本語にあてはまる表現を考えるというプロセスの逆。すでにあるドイツ語の表現から日本語をあてはめるのはドイツ語ではなく日本語の可動域が必要ですよね。いわゆる普通の翻訳。

でも今回はその逆をしているので日本語ももちろん、ドイツ語のほうにも可動域が必要で高度な知識が必要です。そしてそれをなんとかできても、考え方はたくさんあってまとめ方はたぶんその人のドイツ語や日本語の可動域によってそれぞれ違う。

さらにドイツ語のネイティブスピーカーは当然、私が今したような分類は頭にないわけです。だから日本語を知らないネイティブスピーカーにこれらについて訊いたりすると、「なんでこういう分け方すんねん?」となり、混乱もするし難しいでと言われたるもする。

でも「入れる」なんて日本語では日常で毎日するような動作でさ、当たり前の日常表現なわけやん。

だからまぁ作ってみたんだけど、あなたはどう思いますでしょうか?こういうリアルな日常表現に敏感でいたいですか?それともそう思うのって私だけでしょうか?

特に教えてる側のほうに訊きたいです。大学でドイツ語教えてる方とか、ドイツ語講師って名乗ってる方たちの考え方。新聞を読めるような指導も翻訳も大事なカテゴリーだけど、その道の専門家以外は実践にもっとフォーカスすることが一番ドイツ語を有効に使えるのでは?と考えています。

ということで、このページを書いたときにもう一つ気づいたことがあったので次のページでは軽くそれについて解説します。

ばいばい!

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【初級】ドイツ語レッスンでよく使うフレーズ【ドイツ語例文】

Wie war deine Woche?(今週はどんな感じだった?) Was hast du am Wochenende gemacht?(週末なにした?) Gibt es etwas Neues bei dir?(なんか新しいことある?)他

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どっちがTasche?かばんとポケット【ドイツ語実践練習】

ドイツ語では「かばん」と「ポケット」は同じ概念の延長。なのでどっちもTascheで一つの語。じゃあどう使い分けよう?

動画解説はこちら↓

☆☆

ドイツ語は「現地の教科書」をメインに勉強することをおすすめします。

教科書をやりながらこのサイトや動画を知識の補足、補強に使ってくだされば本望です。

上級を目指す人用のおすすめ教科書↓

Begegnungen A1

Begegnungen A2

Begegnungen B1

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