文豪ゲーテの記事のつづきです。
ワイマールのゲーテの家を見学してきた感想。
前回の記事ではゲーテの家で、華やかな色とりどりの壁、古代ローマ風の彫刻、壁一面の絵画、また相当数のコレクションなどを見て、そこから人物を想像してました。言いたい放題言いました。
パリピの豪邸。

しかし一部屋だけ、雰囲気ががらっと変わった部屋がありました。それは書斎。
ちょっと写真だけではわかりにくいかもしれませんが・・。

壁には絵画が一枚もない。
家具は統一した色の質素な木の机と本棚。
豪華なシャンデリアどころか、余計な飾りは一切排除。

さっきまでのイタリアかぶれな感じとか、女の子が大好きとか重度のコレクターで、なんでもほしい!という陽キャオーラが完全に消え去っている印象を受けます。
これはぜひゲーテハウスを訪れて感じてほしいです。雰囲気の変わる感じを。写真では伝えきれない。
この部屋はゲーテが意図してそう作らせたものらしいです。(というか階段を始めゲーテはこの家にこだわり色々要求を伝えていた)
この部屋以外の外の世界や客間などでは底なしの好奇心で世界中のあらゆる刺激を浴びてインプットしていたのが、この部屋に入ると「内面の世界」に切りかわり、執筆をしていたのではないでしょうか。
視覚的なノイズさえゼロにしたかったのだから。
この気持ちは天才でもなんでもない私も共感できるところがあります。
仕事部屋の壁は真っ白なままがいい。頭の中のイメージが邪魔されることなく視線を泳がせることができるから。ごちゃごちゃしていないほうがいい。
でも私なんかは部屋にいくら邪魔なものがなくても、切り替えができなかったり思考が飛んでったり集中ができなかったりいくらでも言い訳があります。
きっとゲーテはオンとオフの切り替えもプロフェッショナルだったんだろうとこの書斎を見て思った。
自分の中のあっちの世界と甲信するには、ものすごい集中力を要しますし、アクセスにも技術がいります。ゲーテはこの部屋でそれをしていたんだな(つまり切り替えですね)と思いました。
現代風にいえば、リビングは趣味のフィギュアとかガンダムであふれかえってる人の仕事部屋だけはPC以外何も置いてない、みたいな感じ?
かっこいー!
しかしそのアクセスはゲーテでも容易じゃなかったはずなんで、自己管理もとてもできていたんだと思います。やりたい放題、ではなく・・。でないとあのファウスト書き上げられへんって。
机の上の枕と、机の下の足置きがなんかリアルな感じ。長時間座ってると疲れるよね。

そしてその書斎のすぐ隣にあるのが、ゲーテが82歳で亡くなった小さな寝室です。
寝室もとても狭くて質素。置かれていたのはこじんまりしたベッドとアームチェア。

現代のドイツのIKEAに売ってるようなベッドと比べてもだいぶ小さい感じがしました。この後に行ったリストハウスでも寝室がめっちゃ質素だったんですよね。寝る時の心地よさ的なものは追求してなかったのかもしれない。
とにかくここでゲーテは亡くなるわけですが、最後の言葉はあまりにも有名ですよね。
Mehr Licht!
もっと光を!
教科書にも載ってるらしい名言です。死の直前に至ってもなお、この天才は世界の真理や知性を追い求めていたのだ・・・!という話が受け継がれています。
が、実際には「部屋が暗いのでカーテン開けて」ぐらいなことを言ったのでは、という説が現在は有力だそう。
またこの寝室には私が共感できた「普通」なものがありました。それがこれ。
壁にかかっていた暗記表。

万物の天才だった彼は、様々なことに精通していましたが、暗記が必要なものはこうやってまとめて壁に貼り、毎日見ては覚えていたんですね。
こういう努力も怠らなかったんだなぁ。
ちなみに内容を読み取ろうと頑張ってみたけど、全然分かりませんでした。
さっきも言った通り彼は82歳で亡くなったのですが、おじいさんになってもとてもエネルギッシュだったそう。体力もあったんですね。
70代で19歳の女の子にガチでプロポーズして、普通に振られているし。そんなことがあっても寿命が縮むどころか、その感情そのまま詞にしてしまったというからやっぱり色々違う。
悲しみをエネルギーにして仕事に還元するスピードが異常すぎる。そんなおじいちゃん、魅力的だったと思うんだが。
☆☆
ということでゲーテハウスのレポートはこのへんで。ゲーテハウスに実際に行ってみて学んだことをちょっとかっこよくまとめると、
徹底したインプットのための豪邸と、極限まで思考を研ぎ澄ますための仕事部屋があった。
世界の成り立ちを本気で解き明かそうとしていた、すさまじい執念。
を感じました。知性と欲望の両方を限界突破させた人って感じでした。面白かった。
ちなみにゲーテやワイマールについてはドイツ語のSpektrum B1でも学べます。5課にあるので機会があれば読んでみてね!
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