「私は子供にドイツ語と日本語をしゃべってほしい」
「作文を書いてきてほしい」
「しっかり聴いてほしい」
これらの文はドイツ語でどう言ったらいいでしょう?
「子供にドイツ語と日本語をしゃべってほしい」をこう思った方はいませんか?
✖ Ich möchte mein Kind Japanisch und Deutsch spricht.
✖ Ich möchte meinem Kind Japanisch und Deutsch sprechen.
どちらも間違いです。英語では成り立つのかな?英語のシステムがあんまり分からないけど。
また
「作文を書いてきてほしい」
「しっかり聴いてほしい」
またこう書いてもダメ。
✖ Ich möchte dich/du einen Text schreiben.
✖ Ich möchte dich/du zuhörst.
なぜこの間違いがあるかというと、日本語では「私は誰かに~をしてほしい」という文法構造で、「したい」を「してほしい」に変化させることができるんですよね。そしてしてほしい相手のことを「に」と表します。
ドイツ語ではmöchtenは「したい」という意味のままで「してほしい」に勝手に変わることはないから文法を変えないといけない。
möchtenをおさらいすると、話法の助動詞という文法ですから、最後に動詞の原形が入りますよね。
Ich möchte einen Text schreiben.
=私は作文を書きたい。
というような文です。
でも「作文を書いてほしい」「しっかり聴いてほしい」と言いたい時、主語は誰ですか?
「ほしい」の主語は私だけど。「作文を書く」のと「しっかり聴く」の主語は話し相手ですよね?
つまり日本語でいうと
私はあなたに作文を書いてほしい。
私はあなたにしっかり聴いてほしい。
ということになりますが、ドイツ語だと主語が2つあるということは、文を2文にしなければいけないんです。
2つの文をくっつける時に使う単語はなんでしたか?
接続詞ですよね。どの接続詞を使いましょう?
つまり無理やり日本語でいうと
私はあなたが作文を書くことをしてほしい。
私はあなたがしっかり聴くことをしてほしい。
というように文になるので、「~することを」が表現できる接続詞、つまりdassをつけて主語を2つにするわけですね。
Ich möchte, dass du einen Text schreibst.
Ich möchte, dass du mir zuhörst.
これが正解です。こうすると主語が2つになり、動詞もそれぞれの主語にかかって自然な文になります。
それではさっきの
「私は子供にドイツ語と日本語をしゃべってほしい」もドイツ語で正しく言ってみましょう。
Ich möchte, dass mein Kind Deutsch und Japanisch spricht.
ですね。
☆☆
ちなみにもし
1)私はあなたに作文を書いてほしい。
2)私はあなたにしっかり聴いてほしい。
このような日本語の文をこのまま直訳でドイツ語にしてみるとどうなるでしょう?実際に「あなたに」を三格にするとどういう意味になりますか?
こうなります↓
1)Ich möchte dir einen Text schreiben.
2)Ich möchte dir zuhören.
1の文の意味は「私はあなたに作文を書きたい」、2の文は私はあなたの話をちゃんと聴きたい。という意味になってしまいます。
だから重要なのは
möchtenは「~してほしい」という意味は持っていない。
と知っていることなのです。
möchtenは「~したい」以外には使えない。
そして「誰かに~してほしい」と言いたい時は
Ich möchte, dass…
というドイツ語定番の副文を使うということを覚えておきましょう。
☆☆
それでは少し練習してみよう。
以下の日本語をドイツ語になおしてみてくださいね。möchtenは弱めの願望なので日本語もちょっとやわらかめにしてみます。やわらかくないちょっと強めの意思のところはmöchtenのかわりにwollenを使ってみてね。
ちなみに意思の強い順にwollen, möchten, hätte gernの3種類、どれを使ってもいいです。(でもwürde gernはダメ)
1.もうちょっとこのプラン説明してほしいかも。
2.誰かこの作業手伝ってほしいなぁ。
3.早く戦争が終わってほしい。
4.誰も公共の場でタバコを吸わないでほしい。
5.上司がちょっと来てほしいって言ってんでー。
6.お前には悲しんでほしくない。
7.娘には意志の強い人になってほしい。
8.もし今日中に終わらせてほしかったら手伝ってくれないと。
ドイツ語例
1.Ich möchte, dass du den Plan ausführlicher erklärst.
2.Ich möchte, dass mir jemand bei der Arbeit hilft.
3.Ich will, dass der Krieg schnell vorbei ist.
4.Ich hätte gerne, dass niemand in der Öffentlichkeit raucht.
5.Der Chef will, das du zu ihm kommst.
6.Ich möchte, dass du nicht traurig bist.
7.Ich möchte, dass meine Tochter eine willensstarke Person wird.
8.Wenn du willst, dass wir heute fertig werden, musst du mir helfen.
これらの文の作り方の解説は動画でしていますのでよかったら動画もどうぞ↓
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本動詞・補助動詞・話法の助動詞【ドイツ語文法24-1】
分離動詞、再帰動詞・・動詞っていろんな文法がある気がする。違う!すべての動詞はまず3つに分けれなければならない。分離とか再帰動詞はその後の小分けグループに属します。まず動詞の基礎をここで学ぼう。
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ドイツ語は「現地の教科書」をメインに勉強することをおすすめします。
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