一週間ほどイタリアに旅行に行って来ました。イタリアは初めて。今回行った場所は
サレルノ(Salerno)
アマルフィ(Amalfi)
ポジターノ(Positano)
ナポリ(Neapel)
ローマ(Rom)
でした。( )の中はドイツ語です。毎日平均3万歩もいろいろな場所を歩いたのですが、行く前と行った後では私のイタリアの印象はかなり変わったと思います。
もちろん行く前にわれらが塩野七生のローマ人の物語1を読んでざっくりイメージを。少し知識があると見方もかわりますよね。
この人の書く歴史本は本当に魅力的で面白いです。Kindleになかったから買えなかったけど、日本にいたらイタリア行く前にこのスペシャルガイドブックも読みたかった。もっと面白かったと思う。
一番驚いたのは街によって国が違うかのような多種多様さがあったことです。イタリアの街って一長一短!と思ったので、今回訪れたイタリアの街を主観でランク付けしてみたいと思います。
まず結局一番いいなと思ったのはナポリ。
結局というのは最初に歩いた瞬間は道路がでこぼこで歩きにくく、建物は汚くて薄暗く、道路は狭くてごみが多く、カナビスの臭いがはびこっており、車やバイクが多くて交通が危ないのでいろいろぐちゃぐちゃ!と思ったのですが、カオスな場所は私好み。慣れると楽しい。
交通以外はね。交通は中国やインドを思い出させるほどカオスです。
狭く汚い住宅が延々と続くナポリ。外観なんて気にしない。


住宅街のど真ん中に泊まったら窓からの眺めもこんな感じ↓

何かが臭ってきそうですがローマ帝国時代から下水道先進国のイタリア、そこは無臭でした。しかし建物がとにかく古い。遺跡を土台にして建てたがリノベは一切しない感じ。
しかし場所を変えて見てみると非常に美しいナポリ。南イタリアの海辺に位置します。エルモ城からの眺め。

後ろの山は噴火してあのポンペイ遺跡を生んだヴェスヴィオ火山。
そしてナポリは観光地の種類がさまざま。あのポンペイ遺跡へは電車で40分、その他にも地下都市と言われるほど地下が発達しています。古代ギリシアの頃からずっと地下を拡大し続けており、古代ローマ時代には水道網もめぐらされ、第二次世界大戦では防空壕として30万人以上を収容可能だったそうだから、相当な大きさです。
圧巻のポンペイ遺跡。一つの街がそのまま見れる広さ。一日中歩けます。

壁にもこんなに生々しい状態で壁画が残っている!


平城京や平安京もこんな残り方しててほしかったなぁ、とつい思ってしまうぐらいのいい状態で残っている・・・。
火山灰に感謝。
地下都市。一時間のツアーで広大な地下の一部分を歩く。地下水の色ってこんなに美しいの?

またどこを見ても美しいサンタキアラ教会やら

なぜあるのか分からないがある駅の中にあるモダンなスポットやら

あんなごちゃごちゃした汚い街の中に面白いものがいっぱいあって飽きなかったです!
あとナポリのケーキ、お菓子、甘い物系が感激するほどおいしかった。
たとえばこれ。ナポリ中央駅や色々なところで売ってます。コーンが特徴的。Sfogliatellaというナポリ名物のパイ菓子です。

中にパリパリのチョコレートがコーティングしてあります。ちなみにソフトクリームはあの定番のミルクっぽい味じゃなかった。たぶん何か入っている。あっさりしています。めちゃくちゃおいしかったですよ!もう一回食べたかったなぁ。
食レポはまた別のページで書こうと思います。
とにかくナポリは物価も安く食べ物がおいしく、観光地が豊富でお土産などのショッピングも楽しめて交通が危なくて歩きにくい以外はとても面白かったです。
2番目は、迷うけどやっぱり観光地の規模でローマでしょうか。
やっぱり古代遺跡のコロッセオとフォロ・ロマーノの規模は唯一で、他のどこでも見れないものだと思うんだよー。
街のど真ん中にこんな規模の遺跡が残ってるなんてちょっと日本では考えられない。

またコロッセオの規模は人間が働きアリに見えるぐらい巨大。もちろんこれは皇帝が意図して作った権力の象徴です。
収容人数5万人。東京ドームの半分の大きさだけど、こんなのを2000年前に建てる技術があったという事実がローマ帝国のすごさを表している。

中も圧巻。人間小さい!

ちなみにこの中で行われていたのはいわゆる人間同士の戦いや闘牛のような動物vs人間の戦い。人間同士の戦いにはその道のプロ剣闘士がおり、勝てば英雄、負ければその場で皇帝や観客によって処刑か生かされるか命の決定がなされる。
人間の娯楽の場として提供されたコロッセオだけれど同時に皇帝の権力を知らしめて反抗すると痛い目にあうぞ的なけん制の場であったことも間違いないですね。だって皇帝の敗者への采配は大きかったから。
遺跡も充実していれば、町の中にひとつの国があるという面白さもあるローマ。
この道をまっすぐ行けば誰でもバチカン市国へ入国可能!

こっちはとにかくきらびやか。豪華。ありったけの贅を尽くしている。でも肩を出したり短パンなど露出の多い格好では建物の中に入れないという厳格なキリスト教の国でもある。
美術館は広すぎて到底まわりきれない。どこを見てもキラキラしすぎて目がおかしくなるほどの豪華さである。また観光客が多すぎてバチカン市国内で自分のペースで歩くのは無理。人が多いせいで体力を無駄に消耗するが、そりゃローマに来てバチカン市国行かない人おらんやろうと思うので全員が集まってしまう。でも行けてよかった。
上を見ればこんな天井が延々とつづく。

そのほかにもまだまだ有名な観光地を見ましたが、(トレビの泉とかあの口の中に手入れるやつとかパンテノンとかカラカラ浴場とか)もうすごすぎて全部紹介しきれない。
観光地としては本当に面白いでしょう。
しかしこんだけすごい観光地があっても私の中でナポリに負けているのはなぜかというと、食の部分をさぼりすぎてるやろと思ったからです。あまりにも普通で工夫がなかったです。お土産もそう。中国の義烏からそのまま持って来たやろ?っていうしょーもないお土産やさんばかり。ちょっと適当すぎる気がしたのが正直な感想。後に挙げる小さなリゾート地のほうがお土産などは工夫され、充実してました。
だってあんな規模の観光地持ってたら努力せんでも一年中観光客来るやん。そしたら自動的に食べ物もお土産も買われるわけで、わざわざ頑張る必要がない。そんな雰囲気があちこちにありました。
これとかなんなん。適当AI商品がどの店にもあるという。

アイス屋さんについてもローマはどこも同じで特別なものはなく、味も普通。ドイツで食べるのと変わらない。
バチカン市国の真ん前にあったレストランでなんてすべての客に同じ料理を出していて驚いた。まさかの1メニュー!?一皿にトマト色のピザとトマト色のパスタが半分ずつのったやつ。具は何も入っていない。見た目も適当でまずそうだった。でもたくさんの観光客が食べていた。立地がいいからね。
グーグルマップの食レポの評価がこれほどあてにならないと思ったのはローマが初めてかもしれない。
もちろん私も何度かパスタ、ピザ、ラザニアを食べてみたがやっぱり満足できず、中華料理に切り替えました。中華料理が安くて満足しすぎたのでローマにいた3日間で2回連続で通うことになりました。それぐらい満足度が違った。私個人の感想ですが。
中華料理はヨーロッパ中どこでも安くて美味しい店があり、見つけるのは容易です。例えばドイツのハイデルベルクやマンハイムだとYang da、カールスルーエだと红太阳のような中華料理店です。ローマでは华味据という中央駅近くの中華料理屋さん。安くておいしかったよ!
3番目はとても小さい街だけどイタリア名物のようなリゾート地だったアマルフィとポジターノ。
まずは街の美しさから。こちらはアマルフィ。

こっちがポジターノ。


どちらの街も前は海、後ろは崖。その間に小さくてカラフルな建物がたくさん並んでいます。もちろん階段がとても多いです。
見た目が美しく写真スポットも多いですが、これらの街は特にヨーロッパ人に大人気。小さすぎるのに観光客が多すぎます。
ビーチも街も人だらけ。


そしてそのせいでローマやナポリに比べても物価が高すぎる現象が起きている。お土産も高いが、特にレストランや食べ物がとても高い。
ナポリなら7€~10€で食べれるピザが25€します。どういうこと!?ぐらいのぼったくり具合です。しかもイタリアのお店は基本的に値段が書いていないので訊かなければ分からないシステムになっている。
でもみんな食べる。仕方ない。お腹がすくから。
アマルフィで食べたこの小サイズのアイスは8€した。中、大はいくらしたんやろ・・。

ちなみにこのアイスは「Amalfi」と書いてあったので頼んでみました。レモン味っぽかったけど甘くて初めて食べた味。めちゃくちゃおいしかったです!おいしいが、値段はかなーり高い。日本円は考えないようにする。
最後はサレルノ。
私はこの町に3日間いたのですが、一日いや半日で飽きてしまい、行く予定のなかったアマルフィやポジターノにフェリーで日帰りで行くことにしたんです。街としてはまぁつまらない。観光客もあまりおらずだったので人が少ない点ではよかった。
にしては物価はそんなに安くなかったかもしれない。ナポリのほうが安かった。あと驚いたのは外見に気を使っている人が多い印象がありました。かっこいい、美しい服装の人が多かった。男性はスーツを着ていたりしてきちんとしていた。年配の女性も健康そうな人が多く、ミニワンピースとか着こなしててすごい!と思いました。
他の都市に比べて全てが平均的だったと思います。人もあまりおらず、物価も高くもなく安くもなく、食もまぁまぁ普通・・・観光地はあるけど特別な感じはなく。。。しいていえば海辺だったので泳ぎたかったな。別の街に行ってたおかげで泳ぐタイミングを逃してしまった。
でも1日一人で歩いたおかげでサレルノの街はけっこう観察できたのでまた記事にするかもしれません。
絶景といえば絶景?サレルノを上から見渡した写真です。

ちなみになんで今回サレルノに行ったかっていうと、夫の学会がこの街であったから。選んだわけではありません。
長くなりましたがまとめると一番好きだったのはナポリ。やっぱり食がおいしかったのと物価が安かった街が私の中では上位なのかな。あといろんな顔があって飽きなかった。
次は観光地の規模の圧巻さでローマ。観光地は一生に一度は行きたいがそれ以上は要らない感じ。観光地のすごさで大量の人が来るので、食に対して努力していないのが丸見えなのが意外だった。とてもシンプルでどこでも食べれる味やん?の連続でした。
ローマの次はアマルフィとポジターノ。この2つはとても似ていた。南イタリアの海辺の小さなリゾート地です。風景がとにかく美しい。しかし観光客も多く物価がびっくりするぐらい高い。ぼったくりレベル。しかし高い分美味しいし、質も高い。お土産もレモンの産地であり地元のモノが多い。(しかし高い)かわいいものもたくさんあって私もいくつか買いました。ここにしかないお土産もたくさんありました。
最後はサレルノ。悪くはなかったが印象がうすいという理由だけで最後になってしまったが、地元の人の美意識には驚かされた。さすがイタリア。ナポリにエレガントという言葉はたぶん存在していないが、サレルノはプライドの高い街という感じがした。
という主観での自己評価でした。
でもイタリアは食がおいしいと散々聞いていたので、もしかしたら私が期待しすぎていた可能性もあり、その分なんや普通やんか、ってなった可能性も高いです。形容詞の感じ方は人それぞれだから、おいしいと思った人がいたらそれも本当なんでしょう。
2か月前に初めていったギリシアと比べどちらに今住みたいかというと、ギリシアの方に軍配が上がっています。やっぱりイタリアに持っていた先入観が大きかったのでしょうか。
