ギリシアに初めて行って考えたこと2025

2025年7月27日著者: Nana

ヨーロッパ文化の原点。ギリシア。

ドイツの人々や文化をもっと理解するには古代ギリシャを勉強しなければとずっと思っていました。今回初めて2週間ギリシアに行く機会があったのでその経験を共有します。

ギリシアに行く前に予習で塩野七生の「ギリシャ人の物語」という本を1巻のみ読んでいきました。(めっちゃ面白かったのでギリシアから帰って来てから現在、2巻を読んでいます。)

旅行の際に大事なギリシアの基本情報

・水道水は飲める。

・トイレットペーパーは流せない。

・真夏は熱中症と日焼け対策を十分に。

それでは今回の旅行中に見たもの、考えたことを写真とともにいろいろ紹介します。

1.動物と共存

最初におったまげた。

人間の階段にこんなんが登っている!けっこう大きな亀。掃除ロボットと同じぐらいの大きさ。

ほんまによっこいしょって登ろうとしているんです。でも階段のわりに足が短すぎて後ろ足がのせられない。

いやいやそんなん助けたるでしょ。思わず甲羅を持って少し体を上げたらすぐに次の階段まで歩いて登っていきました。

でもこんなとこにいるのは普通なん?大丈夫なん?と思って地元の人に訊いた。「亀があそこの階段を上ってるんですけど大丈夫?」

って。そしたら

「何が問題なの?(Why not?)」

て返ってきた。ギリシアに野生の亀はたくさんいるんだそうです。カルチャーショック!テリトリーがあるんだよ、とかって日常的にいるんだそう。あーびっくりした。生きていくところがないと思ったのは先進国の野生動物を生かさない国の人の考えやったわ。

共存している動物はこうやって楽器の犠牲にもなるらしい。日本の三味線は猫や犬の皮が使われてるけど、ギリシアの弦楽器は亀の全部使っていた。

確かにそのへんで捕まえれるんだからこんなアイデアも出るわな。

とはいえこの国は日本やドイツに比べると野生動物のケアをよくしている印象を受けました。いたるところに野良猫や野良犬のための水がおいてある。

またこの子のように↓

店の前でクーラーの恩恵を受けても全く問題なし。人間がよけて入ればいい。よけるよける、大歓迎。

人間が熱中症になるほどの気候で他の生物もしんどくないわけない、というのをギリシア人は当たり前に知っている。暑い国の人間のおおらかさを久しぶりに感じました。マレーシアでよく感じていた感覚。

暑いと頭が回らなくなって色んなことが適当になるけど、その分ケチケチイガイガせずに優しくなれるとも思う。

ちなみに夫(ドイツ人)がめっちゃ頑張って時間かけて撮ったセミの写真。セミを撮ることが頭にもよぎらない自分との文化の違いを感じた。

 

2.岩と建物の共存

岩の上に建物を建てるというのはドイツでも、というかたぶんヨーロッパでよくある現象だとは思う。とはいえその岩といっても取り除くのが困難なのでそのまま利用して一部にした程度な感じ。ドイツでも古い町に時々見ることがある。

今までで岩がすごいなと思ったのはザルツブルク。この時も岩の存在感に感動してブログに書いた。

岩と家【ザルツブルク】

ザルツブルクで見つけた岩と家が面白かったので撮った写真を集めてみました。

でも今回のギリシャはちょっと人間というものの別視点を発見したレベルの岩の使い方だった。それがどこに行っても野生の亀みたいに「それがフツーやけど」という顔をして平然として現れるのがギリシャでした。岩の国ギリシアやろ。なんでこのスローガンがないん?それとも私がまだ知らんもっとすごい岩の国がある?

有名なアクロポリスも巨大な岩の上に立っててそれもまず圧巻なんやけれども↓

これはなんやねん!!!

別次元の岩の使い方!

誰も簡単に登ってこれないように、そして修行と隔離のために修道院を立てました。ここに!

人間なんでもできる。メテオラ修道院群です。しかも一つじゃありません、他にもいろんなところにあります。

圧巻のメテオラ。地上ははるかに下!空のほうが近いんじゃない?これ建てたのいつ頃の人やと思います?14世紀の人。14世紀にこんな技術があったんですね。

この下の街とメテオラの岩道を歩きながらひたすら考えたことは、よし、あの岩の上に家を建てよう!というアイデアって湧いてくるもんなんかな?っていう疑問。

岩を眺めているうちに思った。たぶん普通だと思う。ギリシア人でなくてもここに住んでたら誰でも思う気がする。毎日毎日こんな巨大な岩を一生見て生活してたらこの上に登りたい、なんとかして登られへん?平面いっぱいあるし家とか建てれるかも」って想像をかきたてる気がしてきた。1日眺めてるだけでもなんとなく想像できた。

人間、想像したことはいくら不可能でもその想像の数や量が熟したら実現する習性を持っているから、これもできるべくしてできたんだと思う。

岩は土地。活用できる。岩の上に建物が見えるのが普通のギリシャ。体力いる国やけど面白かったです。

3.遺産にも落書き

ギリシアにはいたるところに落書きがあることは有名です。

まじでどこもかしこも落書きだらけです。

こわっ!!ここアクロポリスから目と鼻の先のAntifiotikaっていう観光地通りやけどな!?

ギリシアに行く前にネットで情報を見ていたら、壁の落書きがとても多いっていう解説と共に写真や動画を紹介しているのが多いけど、いつも思うんやけど、

落書きは分かったけどその内容は気になれへんのかい?私は気になるぞ。ということで読んでみた。まぁほとんど読めないけどね。でも英語で書いてあったらきっと観光客にも読めるように主張してるんやろうから。

って えぇぇ!?

Fuck Israel!?

ドイツで一番書いたらあかんことやん!

びっくりした。ギリシャでまさかの反ユダヤ主義(もちろんほんの一部だけです)。しかしここ、大学街で色んな種類のカフェとか夜は遅くまでパーティーみたいなちょっとはっちゃけてるエリア。

けっこう反ユダヤ主義の落書きがあって驚いた。これもそう↓

いやあのな。今、イスラエルとガザの紛争でパレスチナの国旗もって少数の人たちが世界中で抗議してるのは知ってる。日本でもありますよね。イスラエルやりすぎーって。悪いのは明らかにハマスやけど、確かにイスラエルはやりすぎ感はある。

でも、私は抗議する側の人に全く共感を覚えない。

私の意見では。もしそれでイスラエルに反感を持って何か書いたりするなら、なぜロシアは一つも書かれてない?半歩ゆずってイスラエルのやりすぎを抗議するなら、なぜロシアにも同じように抗議しない?ロシアのほうは何もしてないウクライナに勝手に攻撃してるんであって、イスラエルの「先にハマスにやられたからやり返してる」ではない。そっちのほうがはるかに抗議してるはずでは?

それはなぜか。答えは一つしかないでしょう。それがイスラエルだから。つまり人種差別です。違う?無意識にパレスチナがかわいそうだと思っているあなた。アメリカだって9・11みたいに先にやられたら戦争まで起こして何百倍返ししたやろ?ではなぜイスラエルは同じことをしたらこんなに批判されるの?

このイスラエルハマス戦で、パレスチナの人に慈悲を持ってるつもりでイスラエル側だけを批判する全ての人に言いたいのは、「君ら、ユダヤ人差別をやっぱりしているよね」ということです。歴史であれだけアカンと思い知っている反ユダヤ主義でしょこれ。

若くてお金のない人々が集まるエリアではそのほかにも反観光客の書き込みもあったよ。

Fuck Airbnb.これは気持ちはわからんでもないけどね。同じエリアでたくさん見かけました。

Airbnbが増えているおかげで住宅選びや家賃に不満を持っているお金のない若い層がむける矛先はこれだね。あと観光客が来ることで物価が上がって住民を圧迫する現象がこのエリアでは少し増えてるんだと思う。

まぁだからと言って正当化はできないが。ギリシアも各国の普遍的な問題は抱えているということ。そして不満を持っている人も必ずいるということ。ただ、その人たちの通りにしていると発展しなくなってしまうということも事実だよね。

みんなで変えていけるといいと思う。

話が逸れてしまった。

とにかく内容よりも驚いたのは落書きそのものではなく、それをする場所!

これぞギリシアの特徴というか文化なんじゃないか。なんと遺跡に堂々と落書き。

おい嘘やろ。

ちなみにここはNafplioという町にあるAcronafpliaというちゃんとした遺跡で、先史時代からビザンティン時代、ヴェネチア時代、オスマン帝国時代までのさまざまな勢力たちがここで要塞を作ったんだよ。異なる時代の城壁や建築様式が混在している場所・・・

にまさかの落書き。

と思ってびっくりしてたらそのうち理解した。

これは遺跡が古くてたった約1300年前の国(しかも再建)ニッポンから来ている私の感覚で、五千年前にもう文明があり、その頃のものがあんなに大量に見つかるギリシアでは遺跡がありすぎて落書きぐらい普通なのだ。たぶん。

さすがに有名なMykeneとかDelphiクラスの遺跡はあかんやろうけど、街にある要塞ぐらいは別にいいのかもしれない。書いても、またそれを放置しても。

こんなん明らかに大砲うってたやん・・

4.豊かな自然

山に海に豊かな自然。日本も島国だから山と海が両方ある土地が多いですよね。

日本の自然も美しいけどギリシアの自然もまた違って美しい。色が違うんだよね。

ギリシアの海の色。

空の色と近い青かな。

山の緑も黄緑よりで濃い感じ。

ギリシアの大部分はこんな景色。

「山」とは緑ではなく岩の巨大な塊だということを知りました。ちなみにこれらの木はオリーブです。ギリシアはオリーブの産地です。

 

5.階段にレストラン

この発想は意外と私が今まで行った場所で見たことないかもしれない。

香港とかも坂が多いイメージがあるけど。階段が多い場所はモロッコのシャフ・シャウエンという街でも見たけどここに座布団用意して客を座らせちゃえ!はめっちゃいいアイデアだと思った。効率的!日本でも長崎とか階段多いところあるやん、真似したら?

首都アテネ↑

こちらはデルフィ。テーブルも置いちゃえ。

日本やったらたぶん「椅子の脚が段の下にうっかり落ちてしまって客が怪我したら誰が責任とるんだブヒー!」となって却下だろう。

疲れたので今日はここで終わり。

またテーマ別にギリシアについて書くかもしれません。