ドイツ語の現在完了形で覚えることは2種類です。
1.過去分詞の形
2.habenかseinか
これがすべての現在完了形の文で出てきます。
ここではドイツ語に3種類ある過去の表現のうち、最も日常的によく使われる現在完了形から学びます。
(ドイツ語の時制まとめ)
まずはどう形が変わるのか、現在文と比べてみましょう。
現在形の文:
A:Was machst du jetzt?
(今から何をするの?)B:Ich besuche meine Eltern.
(両親のところに行くよ。)――――――――――――――――――――――
現在完了形の文:
A:Was hast du gestern Abend gemacht?
(昨日の夜は何をしたの?)B:Ich habe meine Eltern besucht.
(両親のところに行ったよ。)
現在文では動詞は2番目にあるのに対して、現在完了形では形を変えて最後につきます。
そして現在完了形は2番目にhaben(補助動詞)を人称変化させて入れると、上の文が完成しています。
(habenの現在人称変化表)
過去完了形の平叙文には、2番目にhabenまたはseinが入ります。
疑問文の場合はhaben/seinは1番目。
この2つを補助動詞(Hilfsverben)といいます。
そして文の最後にある動詞を本動詞(Vollverben)といいます。
補助動詞は意味を持たず、文法的な機能を果たすのみで
本動詞のほうが意味を持ちます。
最後につく本動詞の変化形は過去分詞(PartizipII)といいます。
つまり現在完了形は
補助動詞(sein/haben)+ 過去分詞
で、できています。seinとhabenは主語によって人称変化させるのを忘れずに。
☆☆
過去分詞の形
では過去分詞の作り方は?
規則動詞
基本的な作り方は動詞の語幹取り出し、前後に“ge”と“t”をつけます。
例)
machen(する):語幹mach⇒gemacht
suchen(探す):語幹such⇒gesucht
lachen(笑う):語幹lach⇒gelacht
このように規則性がある変化をする動詞を、規則動詞といいます。
(規則動詞の一覧はこちら)
しかし規則動詞のすべてがge—-tの形になるとは限りません。
語幹が比較的長い動詞は、前の“ge”がつかず、後ろの“t”だけが付く場合があります。
例)
-probieren(試す):
語幹probier⇒probiert
-fotografieren(写真を撮る):
語幹fotografier⇒fotografiert
-interessieren(興味を持つ):
語幹interessier⇒interessiert
(該当する規則動詞はこちら)
それでは分離動詞の場合はどうなるのでしょうか?
※分離動詞って何?という方はこちら
答えは、前つづりと動詞の間に“ge”が入ります。
例)
aufmachen(開ける)⇒aufgemacht
einkaufen(買い物する)⇒eingekauft
aufräumen(整理する)⇒aufgeräumt
(分離動詞の規則動詞はこちら)
では非分離動詞は?
※非分離動詞の文法を見る
非分離動詞は分離できず、動詞に前つづりがついて長くなるので後ろに“t”がつくだけです。
・・いいえ、長くなくても非分離動詞の前つづりがついているものはすべて“ge”省略です。
例)
bezahlen(支払う)⇒bezahlt
benutzen(使う)⇒benutzt
erklären(説明する)⇒erklärt
(非分離動詞の規則動詞はこちら)
以上が規則動詞です。
つまり規則動詞でも3種類の形があります。
1)基本形:ge—-t
2)分離動詞:前つづり+ge—-t
3)非分離動詞&長い動詞:—–t
の3つです。
規則動詞のみの練習問題をひたすらやって慣れましょう↓
【初級】現在完了形の規則動詞をひたすら練習するページ 【ドイツ語文法】
ドイツ語の規則動詞は3種類。現在完了形の文法は学んだけれど話せない、使えない人は更なる知識と圧倒的な練習用が必要です。それを踏まえて圧倒的に練習するページ。
動画でも実践練習の方法を解説してます↓
☆☆
不規則動詞
次は不規則動詞です。
ドイツ語では残念ながら、ふだんよく使われる動詞が不規則動詞であることが多いです。
覚えるまでは厄介ですが避けて通れません。
不規則ながらも、カテゴリー分けをしながら覚えやすいように説明します。
a) ge+動詞の原形
前に“ge”をつけるだけで完成の動詞。
例)
fahren(行く)⇒gefahren
kommen(来る)⇒gekommen
schlafen(寝る)⇒geschlafen
主な動詞:backen(焼く), braten(炒める), fallen(落ちる),heißen(という), laden(積む), laufen(歩く), wachsen(成長する), geben(あげる), fangen(つかまえる), fressen(動物が食べる), graben(掘る), halten(持っている), lassen(させる), messen(測る), tragen(運ぶ), blasen(吹く), stoßen(ぶつかる)
※これらの動詞にgeをつけて発音してみましょう。それが過去分詞形です。耳でも慣れましょう。
b) 前後にge—tがつくが、語幹が変化する動詞。
語幹の母音がi⇒u やe⇒a に変化しています。
例)
bringen(持っていく)⇒gebracht
denken(考える)⇒gedacht
kennen(知っている)⇒gekannt
wissen(知る)⇒gewusst
nennen(~と呼ぶ)⇒genannt
rennen(走る)⇒gerannt
brennen(燃える)⇒gebrannt
c) 語幹が変化し、-enで終わる動詞
oに変わる例)
beginnen(始める)⇒begonnen
fliegen(飛ぶ)⇒geflogen
helfen(手伝う)⇒geholfen
schwimmen(泳ぐ)⇒geschwommen
sprechen(話す)⇒gesprochen
treffen(会う)⇒getroffen
biegen(曲げる)⇒gebogen
gewinnen(勝つ)⇒gewonnen
schließen(閉じる)⇒geschlossen
sterben(死ぬ)⇒gestorben
verlieren(失う)⇒verloren
werden(なる)⇒geworden
werfen(投げる)⇒geworfen
ziehen(引っ張る)⇒gezogen
iまたはieに変わる例)
bleiben(留まる)⇒geblieben
schreiben(書く)⇒geschrieben
steigen(上がる)⇒gestiegen
gleichen(比べる)⇒geglichen
beißen(噛む)⇒gebissen
greifen(掴む)⇒gegriffen
reiben(こする)⇒gerieben
reiten(乗る)⇒geritten
scheiden(離す)⇒geschieden
scheinen(輝く)⇒geschienen
schmeißen(投げる)⇒geschmissen
streiten(争う)⇒gestritten
verzeihen(ゆるす)⇒verziehen
weisen(示す)⇒gewiesen
uに変わる例)
finden(見つける)⇒gefunden
singen(歌う)⇒gesungen
trinken(飲む)⇒getrunken
binden(結ぶ)⇒gebunden
gelingen(成功する)⇒gelungen
klingen(鳴る)⇒geklungen
springen(跳ぶ)⇒gesprungen
stinken(臭う)⇒gestunken
zwingen(強いる)⇒gezwungen
d) その他の不規則変化
gehen と essen という最もよく使われる動詞の中の2つは何とも言えない変化をします。
この2つは、なぜ?とは考えず、そのまま覚えてしまいましょう。
gehen(行く)⇒gegangen
essen(食べる)⇒gegessen
こちらは不規則動詞の練習問題です。シンプルな問題なのでひたすらやって慣れましょう↓
現在完了形の不規則動詞をひたすら練習するページ (3)【過去分詞形】【ドイツ語文法】
問題:次の動詞を過去分詞形(Partizip II)にしてください。 例)anfangen 答)angefangen
過去形と現在完了形の形を覚えるための、不規則動詞三基本形の聴き流し動画もあります。↓
補助動詞:seinかhabenか
ドイツ語の現在完了の補助動詞はhabenを使うことが圧倒的に多いです。
seinを使う動詞は少数派です。
ここではseinを使う主な動詞を覚えておきましょう。3つのパターンがあります。
1.場所を移動する動詞のときはsein
gehen(歩いて行く), kommen(来る), fahren(乗り物で行く), umziehen(引っ越す), fliegen(飛行機で行く), steigen(登る), rennen(走る)他。2.状態の変化を表す動詞はsein
werden(なる), aufstehen(起きる), wachsen(成長する), sterben(死ぬ), gebären(生まれる), einschlafen(うとうとする), aufwachsen(育つ)など。3.その他seinを使う動詞
bleiben(留まる), gelingen(成功する), geschehen(起こる), passieren(生じる), sein(である)
厄介なのは、seinを使う動詞であっても、文の内容によってはhabenになりうること。
Ich bin mit dem Auto gefahren.
(私は車で行った。)
Ich habe das Auto gefahren.
(私はその車を運転した。)
fahrenはseinだけではなくhabenになることもあります。このような動詞は一定数あります。
見分け方は、文の中に目的語(四格)があればどの動詞でもhabenを使う、ということです。
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ここまでの解説を読むと現在完了のsein/habenの2択は一見とても複雑です。
しかし大多数の動詞はhabenであり、またsein支配の動詞は日常的に最もよく使われる語がたくさん入っています。
現在完了形をまとめると、
・補助動詞sein/habenは2番目の位置、現在人称変化をする。
・本動詞は文の最後で、過去分詞形に変化する。
・過去分詞形には規則動詞と不規則動詞がある。
・seinかhabenかはほとんどの場合、本動詞よって決まる。
これを全部やって初めて過去の表現が正しく言えます。
どうやって正しく言えるようになるの?と思われる方、
練習あるのみです。現在完了は練習をたくさんした人が正しく使えるようになります。
近道はありません。さっそく自分でやってみましょう。
ここにある例文をすべて現在完了形に変えてみましょう。
どれも日常的によく使われている表現です。⇓
頑張ってください!(回答はこちら)
さらに、練習問題もやってみましょう。回答は一番下です。
【初級】現在完了形の練習問題 (2)【ドイツ語文法】
問題1:次の単語を並べかえて現在完了形の文を作ってみましょう。 例)Kaufen – ich – ein Auto 回答)Ich habe ein Auto gekauft.
現在完了形を使った日常会話の例文もたっぷり↓
【ドイツ語例文】一日の流れ:現在完了形【初級】
Ich bin um 7 Uhr aufgestanden. (私は7時に起きた) Ich habe mir das Gesicht gewaschen. (私は顔を洗った)
現在完了形の文法解説動画。耳からもインプットを!↓
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