動詞の現在人称変化。規則&不規則動詞【ドイツ語文法2】

2019年2月13日著者: Nana

ドイツ語の動詞、現在人称変化を一気に見ていきます。まずは動詞の原形を知ることから。 🙂

この文法の動画解説はこちら。

動詞の現在人称変化を習得すると、「私は仕事をする」とか「ご飯食べる?」といった、自分や他人の現在の行動をドイツ語で伝えることができるようになります。

さらに、「私は勉強している」といった現在進行形も、同じ形で言うことができるようになります。

日本語では人称代名詞によって動詞が変化することはないため、違和感を感じたり最初はよく間違えたりしますが、それはドイツ語学習者の誰もが通る道。何度も練習してのりこえていきましょう。

動詞の形

そもそもドイツ語の動詞ってどんな形してるの?適当に動詞を並べてみました。

arbeitenduschenglaubenkochen
badenfeiernholenkosten
brauchenfragenhörenlächeln
denkenfrühstückenkaufenlachen

そう、語尾のすべてに「n」があり、ほとんどの語尾には「en」がついています。この形を動詞の原形といいます。

arbeitenduschenglaubenkochen
badenfeiernholenkosten
brauchenfragenhörenlächeln
denkenfrühstückenkaufenlachen

今回勉強する現在人称変化では、語尾の「en」または「n」が、「わたし」や「わたしたち」といった人称代名詞によって決まった変化をします。

赤の「en」の部分を語尾、その他の黒い部分を語幹(Wortstamm)といいます。

 

規則動詞と不規則動詞

現在人称変化には規則動詞と不規則動詞があります。 規則動詞と不規則動詞の違いは、語幹(Wortstamm)が人称代名詞によって変化するかしないか、です。つまり語尾は規則動詞も不規則動詞も同じ変化をします。

それでは規則動詞から見ていきましょう。語尾のみが規則的に変わる動詞です。

 

規則動詞の現在人称変化

人称代名詞lernen
ichlerne
dulernst
er, sie, eslernt
wirlernen
ihrlernt
sielernen

語尾が変化しています。Wir (一人称複数)とSie(三人称複数)は常に原形と同じなので覚えやすいですね!

どの動詞でも同じ語尾の変化をします。覚えるための魔法の言葉は・・語尾だけを並べて

est-ten-ten

です。上の表の線を引いてある部分をくっつけた言葉です。私はドイツの語学学校でこう習いました。これを唱えながら覚えよう!

 

あらためて文にしするとこうなります。

・Ich lerne.
= 私は勉強する。

・Du lernst.
= あなたは勉強する。

・Er/Sie lernt.
= 彼/彼女は勉強する。

・Wir lernen
= 私たちは勉強する。

・Ihr lernt.
= あなたたちは勉強する。

・Sie lernen.
= 彼らは勉強する。

 

疑問形にする場合は、この2つをひっくり返すだけ。

・(Lerne ich?)

・Lernst du?
= あなたは勉強する?

・Lernt er/sie?
= 彼/彼女は勉強する?

・Lernen wir?
= 私たち勉強する?

・Lernt ihr?
= あなたたちは勉強する?

・Lernen Sie?
= 彼らは勉強する?

※これは「今から勉強する」というニュアンスが強いです。つまり今の時点ではまだ勉強していない。

※「今」という意味のドイツ語 “jetzt” を入れても同じです。今から勉強する(まだしてない)という意味になります。

☆☆

ちなみに、「今勉強している」という進行形をあらわすには“gerade”を入れます。

・Ich lerne gerade.
= 私は勉強している。

・Du lernst gerade.
= あなたは勉強している。

・Er/Sie lernt gerade.
= 彼/彼女は勉強している。

・Wir lernen gerade.
= 私たちは勉強している。

・Ihr lernt gerade.
= あなたたちは勉強している。

・Sie lernen gerade.
= 彼らは勉強している。

 

疑問形も。

・(Lerne ich gerade?)

・Lernst du gerade?
= あなたは勉強してる?

・Lernt er/sie gerade?
= 彼/彼女は勉強してる?

・(Lernen wir gerade?)

・Lernt ihr gerade?
= あなたたちは勉強してる?

・Lernen sie gerade?
= 彼らは勉強している?

☆☆

ちなみに誰かと一緒に勉強するとき、

“Lernen wir jetzt?”=私たち(一緒に)勉強する?

などと聞くことはありますが、“Lernen wir gerade?”=私たち勉強してる?とは聞きませんね。自分が何してるかわからないシチュエーションというのはあまり遭遇しないですからね。jetztとgeradeの使い方ひとつとってもけっこう意味が変わってしまいます。

 

よく使う規則動詞の例。それぞれの動詞を人称変化させてみる練習はおすすめです!

-baden(お風呂に入る) -brauchen(必要とする) -danken(感謝する) -duschen(シャワーあびる) -feiern(祝う) -fragen(尋ねる、質問する) -frühstücken(朝食を食べる) -glauben(信じる、思う) -holen(取る、取ってくる) -hören(聴く) -kaufen(買う) -kochen(料理する) -kosten(費やす、味わう) -lächeln(微笑む) -lachen(笑う) -leben(住む、生きる) -lieben(愛する) -malen(絵を描く) -machen(する) -packen(包む) -putzen(掃除する) -rauchen(吸う) -reisen(旅行する) -sagen(言う) -schenken(贈る) -spielen(遊ぶ) -suchen(探す) -tanzen(踊る) -trocknen(乾かす) -wandern(ハイキングする) -warten(待つ) -wohnen(住む)、他

 

ちょっと変化する規則動詞

動詞の語尾は規則動詞、不規則動詞にかかわらず「est-ten-ten」の大原則で人称変化をします。

しかし発音の問題で、ほんの少し変化をする動詞があります。それは

1.語幹が「t」で終わる動詞(例:arbeiten)

2.語幹が「s」または「z」で終わる動詞(例:heißen, tanzenなど)

 

1番目から例をあげてみましょう。

arbeiten:仕事をする
icharbeite
duarbeitest
er, sie, esarbeitet
wirarbeiten
ihrarbeitet
siearbeiten

本来の法則なら語尾の「en」が取れて変化をするものでしたが、赤で示した3つの場所だけは「n」だけがとれて「e」がそのまま残ります。

もし本来の人称変化をあてはめると、たとえば「arbeitst」や「arbeitt」となり、どう発音していいのかわかりません。

同じ理由で2番目の例「s」の場合も挙げてみましょう。

heißen=~と称する
ichheiße
duheißt
er, sie, esheißt
wirheißen
ihrheißt
sieheißen

「ß」は「ss」と同じ発音ですね。この場合は語尾が「st」と変化する二人称単数だけ、sがかぶりすぎるという理由で「t」だけが語尾につくことになります。「heißst」と規則通りにするとsssの発音になるからこちらも発音の仕方がわかりません。

この語幹が「t」「z」または「s」で終わる2つのパターンがほんの少し発音にあわせた変化をするということでした。発音による些細な変化なので規則動詞に分類されます。

※もう一つのわずかな変化パターンとして、語尾が「-en」で終わらない動詞があります。(wandern, ändern, handelnなど。)発音の都合上、一人称単数が “ich wandre, ich handle”と多少の変化がある場合があります。

 

分離動詞の場合

ドイツ語には分離をする動詞というものがあります。ここでも慣れておきましょう。

たとえば

einkaufen = 買い物をする

という意味ですが

ein と kaufen は分離することができます。

“einkaufen”を例にとって分離動詞での文の作り方を紹介します。語尾はもちろん安定の「est-ten-ten」です。

分離動詞は、分離した最後のほう(kaufen)の単語を2番目の定位置へ、そして最初のほう(ein)は文の最後につけます。

・Ich kaufe ein.
= 私は買い物をする。

・Du kaufst ein.
= あなたは買い物をする。

・Er/Sie kauft ein.
= 彼/彼女は買い物をする。

・Wir kaufen ein.
= 私たちは買い物をする。

・Ihr kauft ein.
= あなたたちは買い物をする。

・Sie kaufen ein.
= 彼らは買い物をする。

疑問形

・(Kaufe ich ein?)

・Kaufst du ein?
= あなたは買い物する?

・Kauft er ein?
= 彼は買い物する?

・Kaufen wir ein?
= 私たちは買い物する?

・Kauft ihr ein?
= あなたたちは買い物をする?

・Kaufen sie ein?
= 彼らは買い物をする?

※実際にこの聞き方をすることはとてもめずらしく、ふだんは“einkaufen gehen”と表現します。たとえば“gehst du einkaufen?”=(あなたは)買い物にいく?といった聞き方をします。しかし“kaufst du ein?”でも間違いではないよ!

その他の分離動詞の例

-abholen(迎えに行く) -aufhören(やめる) -aufmachen(開ける) -durcharbeiten(通して仕事をする) -kennenlernen(知り合う) -mitbringen(持っていく) -zurückzahlen(払い戻す)、他

 

分離動詞をもっと詳しく勉強する↓

分離動詞と非分離動詞1【ドイツ語文法15】

Der Zug fährt pünktlich ab. (電車は時間通りに出発する)

 

不規則動詞の現在人称変化

さて、これまでやってきた規則動詞は、語幹は一切変化がありませんでした。次に出てくる不規則動詞では、語尾は「est-ten-ten」の大原則で変化しますが、それだけでなく語幹までもが変化します。

語幹が変化するのは二人称単数と三人称単数です。

つまり、規則動詞では二人称単数(du)と二人称複数(ihr)が同じ形だったのが、不規則動詞になると別の変化形になります。duとihrの使い分けが、意外と苦労する部分だったりします。

不規則動詞には大きく分けて3種類の変化形があります。

1.ウムラウトに変化する系

2.「e」が「i」に変化する系

3.「e」が「ie」に変化する系

それでは実際に例をあげながら見ていきましょう。 まずは1のウムラウト系から。

 

ウムラウト系

fahren=行く
ichfahre
dufährst
er, sie, esfährt
wirfahren
ihrfahrt
siefahren

二人称と三人称単数の「a」が「ä」に変化しています。二人称複数のihrの場合はそのまま!ウムラウト変化形の不規則動詞には、よく使う動詞がずらっと並んでいます。

schlafen
寝る
tragen
運ぶ
waschen
洗う
fallen
落ちる
fangen
捕まえる
ichschlafetragewaschefallefange
duschläfstträgstwäschstfällstfängst
er, sie, esschläftträgtwäschtfälltfängt
wirschlafentragenwaschenfallenfangen
ihrschlafttragtwaschtfalltfangt
sie, Sieschlafentragenwaschenfallenfangen

目の前にいる相手に「もう寝る?」とか、「何時に寝るの?」などと相手にききたかったら、ウムラウト変化形で問いかける必要があります。 たくさんつかって慣れましょう。

 

eがiに変わる系

これも非常によく使う動詞が出てきます。

essen=食べる
ichesse
duisst
er, sie, esisst
wiressen
ihresst
sieessen

最初の「e」が見事に「i」に変化しています。ちなみに「isst」の発音は「ist」と全く変わらない。しかし、最初の「e」から変化するのはこの「essen」ぐらいで、普通は真ん中ぐらいにある「e」が変化するのが一般的です。こんな感じに。

sprechen=話す
ichspreche
dusprichst
er, sie, esspricht
wirsprechen
ihrsprecht
siesprechen

 

「i」系の他の動詞はこちらです。こちらもよく使うものが多い。

geben
あげる
treffen
会う
vergessen
忘れる
helfen
手伝う
messen
測る
ichgebetreffevergessehelfemesse
dugibsttriffstvergissthilfstmisst
er, sie, esgibttrifftvergissthilftmisst
wirgebentreffenvergessenhelfenmessen
ihrgebttrefftvergessthelftmesst
sie, Siegebentreffenvergessenhelfenmessen

 

eがieに変わる系

こちらも一見、2番目の変化形に似ています。が、発音が全然違います。こっちのほうが「i」が伸びた発音になります。

lesen=読む
ichlese
duliest
er, sie, esliest
wirlesen
ihrlest
sielesen

他の動詞はこちら。

sehen
見る
befehlen
命令する
stehlen
盗む
empfehlen
薦める
ichsehebefehlestehleempfehle
dusiehstbefiehlststiehlstempfiehlst
er, sie, essiehtbefiehltstiehltempfiehlt
wirsehenbefehlenstehlenempfehlen
ihrsehtbefehltstehltempfehlt
sie, Siesehenbefehlenstehlenempfehlen

一つ空白なのは、その他はあまり使わない動詞だったから。つまりそんなにたくさんありません。しかし“見る”や“読む”はよく使うので要注意です。

 

不規則動詞sein, haben, werden

一つ前の文法でやったsein動詞の他に、habenとwerdenは上の3つの変化形にわずかにあてはまらない、オンリーワンの不規則変化をします。この3つは後々常用する必要がありますので完全に覚えておきましょう。

sein
~である
haben
~がある・いる
werden
~になる
ichbinhabewerde
dubisthastwirst
er, sie, esisthatwird
wirsindhabenwerden
ihrseidhabtwerdet
siesindhabenwerden

 

不規則動詞wissen

wissen(知っている)は独特の変化形をします。

上記のすべての動詞と大きく違うのが、一人称単数(ich)と三人称単数(er, sie, es)が同じ形であるということです。例外ですので別カテゴリーとして覚えておきましょう。

wissen
知っている
ichweiß
duweißt
er, sie, esweiß
wirwissen
ihrwisst
siewissen

 

超不規則動詞halten, raten, braten

ここからは中級のはじまりです。この変化はduの発音が非常に難しいですね。

haltenの意味についてはこちらのページをご覧ください。

haltenraten
助言する
braten
炒める
ichhalteratenbraten
duhältsträtstbrätst
er, sie, eshälträtbrät
wirhaltenratenbraten
ihrhaltetratetbratet
siehaltenratenbraten

 

ここでは動詞の現在人称変化をお伝えしました。ドイツ語動詞の基礎の基礎です。暗記必須。考えなくても出てくる程、たくさん練習する必要があります。

まずはこちらの表の穴埋めを↓

【初級】動詞の現在人称変化をひたすら練習するページ【ドイツ語文法】

問題:現在人称変化の表を埋めてください。規則動詞・不規則動詞両方あります。

さらにどんどん練習問題をやって慣れましょう。

練習問題1

練習問題2

練習問題3

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