中国は海外でも面白い。何度もいうてるけどホンマ中国は面白い。
夫がギリシアであった学会に出席した。
私はだいたい夫の学会が他の国であるときは面白そうなのでついていきます。今回は中国のある大学教授が主催した学会でした。奇妙だったのは、ギリシアで開かれる国際的な学会にもかかわらず、夫とスペイン人1人を除いて発表者はみんな中国の博士課程の学生だったことです。その他には地元ギリシアの学生が10人ほど、聴講で招待されていました。発表ではなく聴講で。
そんな学会になぜ夫が参加することになったかというと、話は去年にさかのぼります。
夫は去年、アメリカのフィラデルフィアであった学会に出席した。ある日突然、その時に知り合った中国人の研究生から連絡がきた。それは彼女の後輩が書いた論文の共同著者になってくれないか、というお願い。しかし論文を読む必要もなく、何もしなくていいから共同著者として名前だけ貸してくれという。いとも奇妙なお願いに聞こえるが、その大学の教授が西洋人の名前が共同著者にないと認めないらしい。国際的に見せるために、つまり見栄をよくするために西洋人の名前を入れなさいと。
夫側にしても一つでも多くの論文にかかわった実績は決してマイナスにはならないので美味しい話だった。とはいえドイツ国の権化のような夫、内容すら知らん論文に名前を貸すのはモラル的にだいぶ違う、ということで内容を読み、修正箇所の提案などは出していました。その後輩は夫の修正案の英語がほぼ正しく理解できず、同じく共同著者に入っているその夫の知り合いが修正したのだが。
さらに後輩はその論文をギリシアの学会で発表することに決まっているらしく、夫も一緒に招待されたのでした。費用の大部分は中国もち(たぶん国費)。残りは夫の研究所が出したらしい。夫も自分の研究の15分の発表時間をもらうという条件で仕事先は夫のギリシア行きを許可しました。
とにかく中国だらけのギリシアでの学会に夫が紛れ込めたのはそういう理由から。つまりコネクションと偶然。
とはいえ、名前を載せさせてくれないかという変なお願いも面白いけどもっと面白いのが、なんで中国人だけの学会を中国だけでせーへんのや?
そのほうが長時間飛行機に乗る必要もなく、体への負担も当然少なく、費用も当然抑えることができる。誰が考えてもそっちの方がいいやん。しかし主催者である中国のある大学はそれをしなかった。
なんでかって?
なぜなら、発表した場所が論文にも記載されるから!
中国って書いたら普通に国内の学会で中国語で発表したことになるけど、ギリシアで発表、記載すると国際的!英語で発表した証拠にもなる!しかも西洋人の共同著者の名前もあるし!
今回来ていた中国の博士課程の人たちはほぼ海外経験のない子たちばかり、つまり論文審査のある国際学会に出るは足りない研究生たちに見た目だけでも国際的キャリアをつけようとしたのではないかと思う。「論文を国際学会で英語で発表した」という。実際にはとても国内的なのだけど。そのためのお金は惜しまず出せるみたいだ。さすが中国。うらやましい国力。
聴講者がほとんどいない部屋での自称国際的なプレゼン。

ちなみに私はついていっているだけだから、学会にはもちろん参加しない(というか内容が何もわからない)けれど、学会に来ていた中国の子達とは一緒にアクロポリスに観光に行ったり、買い物したり、一緒にごはんを食べたりと学会の間中、毎晩なにかしら一緒に遊んでいた。意思疎通さえできれば中国人はとてもオープンでポジティブ。大学の修士、博士課程の人たちは英語もだいたい大丈夫だから中級程度の英語でも普通に仲良くなれると思います。
さらにお国柄色々いい意味で適当なので私は肌にあっており、めちゃくちゃつきあいやすい。すぐに大量の人と仲良くなれるというメリットがあります。一回一緒に遊んだら次回も必ず誘ってくれるし。行っても行かなくても何の気にもせずまた誘ってくれるし。
とはいえやはり国が違うと思考はだいぶ違う。そんなギリシアで仲良くなった上海の大学から来てた子たちから聞いた話でさらに私の思考はぶっ飛んでしまった。
それは上海からどうやってアテネまで来たって話を聴いた時。上海の研究生の数人は、上海→北京→ミュンヘン→アテネ経由で来て24時間かかったっていう。
なんでそんな複雑でめんどくさい航路使ったん!?って訊くと、北京から来る今回の学会の主催者、李教授が一人で飛行機に乗りたくないと言ったらしい!上海→アテネは直行便があり、北京→アテネは直行便がない。
つまり李教授が一人で飛行機に乗らなくていいために、彼らは先に北京に飛んで彼を迎えに行き、そこからミュンヘン、さらにアテネとまわって来たんだそう。
どんな理由でどんな面倒なルートとおってんねん。帰りにもう一回こんな無駄な時間を過ごさなあかん彼らについ同情してしまった。
論文に西洋人の名前を書けとか発表の地をギリシアにするとか、国際的に見せようと必死にがんばっていても、人間のほうは主催者からして全くの非国際的で笑ってしまう。いい歳した教授までが何言うてんねん。ほんで飛行機怖いんかい。
海外に慣れている中国人とそうでない中国人はとにかく食べる時に一目瞭然。中国国内では食べる時にくちゃくちゃ音を鳴らして食べるのが普通なのだ。年配者だけでなく若い子も。そして中国の子は基本的に海外で一人で行動しない。観光も一人では絶対に行かない。なのでだいたい大人数でレストランに入って全員でくちゃくちゃ言わしながら食べる。
ドイツ語ではくちゃくちゃ音を鳴らして食べることをschmatzenという。これはドイツでは一人もしない。絶対しない。でも彼らは他の国との交流経験がないからそれを誰も知らないのだ。今回の子たちは全員同じ食べ方をしていたので、言われなくても海外との交流が一切なかったんだなと分かる。
ちなみに日本人は食べ物を口に含み、もぐもぐしながら話すことが多いのが特徴。食事しながらでも普通は会話するから、たぶん待たせたくないという心理だろうけど、これもドイツではちょっとわぁ、と思われる気がする。海外では我慢して口のものを全てのみ込んでからしゃべり始める習慣をつけてもいいかもしれません。
話を戻して。
とはいえこの学会、中国主催の利点もありました。昼食や夕食の宴会は誰が来てもオッケー。普通の国際学会は部外者が食事にしてもいいけどお金を払わなければなりません。でも今回は身分に関係なく、誰でも無料で参加できたのです。そのおかげで関係のない私も一緒に食事を楽しめました。中国の子たちは私の席も準備してくれてて嬉しかったです。
全然イガイガしてないしルールなどもあまりないため、とてもゆるいんです。
また夫がよく言っているのですが、学会では中国人と知り合うのがとても容易だそうです。オープンでポジティブで積極的だから。下手な英語でもガンガンしゃべる。逆に日本人がそもそもの数が少ない上にコミュニケーションをしたがらず、英語にも自信がないからつきあいにくいと言っていた。やっぱり受け身なんだよね。こっちが誘わないと何も始まらない。中国の子たちはなんでも気軽に誘ってくれる。知り合ったばかりの人でも。
学会で最も重要なのは自分が論文で英語でうまく発表することではなく、同じ分野の人とのコネクションをつくることなのに!
これは先輩学者がもっと博士課程の学生に教えなければならないことだと思います。とてももったいないことしてると思う。この前カナダに来てた千葉大の日本人も・・・・
別の話になってしまいそうなのでこれで終わっとく。
アクロポリスはかなり大人数で行った。・・・ら中で別の中国グループに会ってさらに大人数で一緒にまわった。楽しかった!

中国の女の子の日焼け対策はこれ一択。全員がスポッと被る黒いかぶりものを着ていた。女子全員。日焼け対策はこれだと有名な人が教えてるんだろう。そのかわり日焼け止めは塗らない。男子は何もしない。いやでもこれ熱中症のほうがな・・・心配やな。

一緒に食べたごはん。中国の子たちとレストランに入ると安くておいしいものがよく食べられる。海外でも中国の口コミネットワークの凄さを感じる。

この記事はもともと中国語で書いたものです。
オリジナル記事
我老公在希臘參加了一個研討會。這是一位中國教授主辦的。奇怪的就是,雖然這是國際研討會,不過除了我老公和一個西班牙人,其他發表者都是中國博士生。除了這些人意外, 還有一些被邀請聽講的希臘學生而已。那為何我老公能參加那種研討會了呢?那是偶然的。
去年在美國參加研討會時,認識了一位中國研究生。有一天,她突然請我老公,她學弟寫的論文需要西方人的名字,所以他能不能加入我老公的名字,作為他論文的共同作者。她又提出,我老公不用幫他論文的內容。我老公覺得很奇怪, 但是對他來說也有好處,因為和更多論文有關係,國際評比會比較好。他還是念了內容,然後找出需要改正的一些地方。學弟看不太懂我老公寫的英文,所以學姊也幫忙改正了。學弟會把這篇論文在希臘發表,所以我老公也被邀請了參加研討會。大部分的費用是中國出手負責,剩下的費用都由我老公的研究所負擔。研究所允許他出差了,因為他還得到15分種發表自己論文內容的機會了。於是,他要去參加一個中國辦的研討會。
為什麼只有中國人參加的研討會不是在中國開呢?這樣明明比較省事和負擔不多。是因為在論文上會寫在哪裡發表的,所以在希臘發表,看起來就很國際化和比較高級。為了這個理由,他們再花公費,再吃力地來到希臘的旅館發表。而且我更驚訝的就是,聽上海的研究生說,從上海到雅典有直飛地班機,從北京倒是沒有。但是他們先飛到北京,再飛到慕尼黑,再轉到雅典了,一共花了24小時。因為李老師(主辦人)不要一個人坐飛機!所以有些學生從北京陪他。論文表面上也許看起來很國際化,其實這些發表者一點都不國際。一般來說,要參加國際研討會需要通過內容審核才行。我老公說這次的活動不是研討會,就是一個發表會。
但是這個研討會也有優點。誰都可以參加午餐,晚餐地宴會,不用付費用,不管什麼身分的人都可以參加。有些中國教授帶他們的家人來了,我也跟研討會都沒什麼關係,但也可以過來一起吃飯。他們每次準備了我的位子,而且每天晚上跟一些中國研究生出去觀光和逛街。
一般的研討會比較嚴格,雖然局外人也有機會一起吃晚餐,但當然得付錢:中國人辦的研討會,誰都歡迎,很隨性。我老公常說,他在研討會很容易認識中國人,因為他們很開放跟積極:認識日本人就很難,因為他們又想太多,又對英文沒有自信。因此,我認為在研討會最重要的是交流。
